近藤和見による誰かのための日記 2020-11-05T15:20:48+09:00 関西を中心に活動するパフォーミングアーツ集団VOGAの作・演出および音楽作家、近藤和見によるblog。 JUGEM 休筆中 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1066943 2015-05-31T11:31:00+09:00 2015-05-31T02:31:21Z 2015-05-31T02:31:00Z 「近藤和見による誰かのための日記」は現在休筆中です。
アーカイブとしてご覧ください。 近藤和見 おしらせ
アーカイブとしてご覧ください。]]> 【BAR Lowo=Tar=Voga】開店日記-03-わたしは無力 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1066942 2013-03-03T00:11:00+09:00 2013-03-02T15:15:58Z 2013-03-02T15:11:00Z ◇12月某日、わたくし近藤和見は押さえ込んでいたとある心情を抑えることができなくなっていた。
◇2013年、馬齢を重ねとうとう今年で38歳になる。舞台活動は多くの人を巻き込む。そしてそのほとんどの関係者に資本主義的利益はない。自分もまたそうである。もとより華も... voga 誰かのための日記
◇2013年、馬齢を重ねとうとう今年で38歳になる。舞台活動は多くの人を巻き込む。そしてそのほとんどの関係者に資本主義的利益はない。自分もまたそうである。もとより華もなく芸はつたなく、努力や根性と思い込みを尖がらして半歩半歩進めたこの10数年間の歩み。しかしまだ38歳といえどもう38歳。「おれは新人類かもしれない」と思ったほど寝ずに活動できた20歳台のわたしはすでに過去の他人となり、アルバイトでは大学生に「あの歳でバイトって終わってるよねぇ」とあえて聴こえる陰口を叩かれ、なにくそ、ここからが勝負なんだと自分に言い聞かせるも、精神的には断崖のタンポポのようにこのままひっそりと我枯れてゆくなり・・・、などと厭世の感を強めていた。
◇12月某日、わたくし近藤和見は愚図な観念で抑えてきた熱心を隠すことができなくなっていた。舞台活動はまわりが「やめときよ、舞台なんて喰えないし、どうせ続かないって」と反対しても頭をひねり胸を叩き左右のひざを繰り返し折り伸ばしすることで前に進んできた。日常生活においてはどうか。惰性でアルバイトや仕事をして暮らせる年齢ではなくなった。明々白々の事実。わかりきった結末に進むほどわたしはナルシストではないしそもそもヒロイックな感情は嫌いだ。手前でなにかするより他はない。自分でお店を作り営業し糧を得ねば、遅かれ早かれ演劇活動も続けることができなくなる。あるいは天涯孤独に「わたしはすべての幸福を捨てて舞台をしているのだぁ」などと夢想家を気取るしかなくなる。嫌だ、と思った。そうして熱い日本酒をちびりひっかけて眼をきつく瞑り精神を落ち着けたわたしは、家族、友人、知人に我が意を伝え、その決意はけして翻らないことを周知するに至ったのである。
◇その後、物心双方へさまざまの協力をいただき、開店へ向け進めることができた。とりわけUrBANGUILD オーナーの次郎さん、家主の森川さんには深くお世話になっている。
◇で、内装が始まり「ぼくも雑用でもなんでもします!」と鮫島(VOGA創始メンバーのひとり)からゆずりうけた濃紺のつなぎを着込み、道具も運び「さぁ、なんでもしまっせ!なにしましょう」と尋ねると「いや、なんにもすることないし、これどう?とか訊きたいときに決めてくれたらええわ」と次郎さん。つまりなにもしないでくれ、ということであった。わたしは無力であった。
◇で、今日メールが届いた。「入り口に積んでる廃材に、燃やしたら黒煙が出る接着剤が着いてるからそれ剥がしてくれ」との由。初めて仕事をもらった。明日頑張ってべりべり剥がそうと思う。
]]> 【BAR Lowo=Tar=Voga】開店日記-02-お店を始める http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1066941 2013-02-27T18:31:00+09:00 2013-02-27T09:36:38Z 2013-02-27T09:31:00Z ◇京都三条下がった北車屋町通り西木屋町にて宿願であったお店、BARを始める運びとなった。屋号は【BAR Lowo=Tar=Voga】である。おととし、Lowo=Tar=VogaからVOGAに劇団名を変更したのだが、その過去の名前であるLowo=Tar=Vogaをモニュメントあるいはドキュメントとして残... voga 誰かのための日記 BAR Lowo=Tar=Voga】である。おととし、Lowo=Tar=Voga からVOGA に劇団名を変更したのだが、その過去の名前であるLowo=Tar=Voga をモニュメントあるいはドキュメントとして残せればいいな、と思っている。マスターはわたくし近藤和見。20代はお酒の仕事をしてたっけ。目下リハビリ的に練習中。アルバイトはまだ決めていないが100パーセント必要(夕方の稽古ができなくなる!)なので、現在募集中である。
◇ちなみにみなさん気になるところでしょうが代表のカゲロヲ氏はじめ、わたし以外のVOGA関係者はお店にいない。ただしお客さんで来てオダを上げているかもしれない。将来的には【BAR Lowo=Tar=Voga 】と【performing arts company VOGA 】の価値を相乗的に高めていければよいなと思っている。
◇京都木屋町UrBANGUILD の次郎さんに依頼した内装工事は進んでおり、申し訳ないほどの少ない予算で工夫していただいている。内装で最低限の予算は大事であり次郎さんのポテンシャルを最大に発揮してもらえないのが残念であるが、わたしにその責がある。
★去る2月13日カウンターをバラした状態を写真にパチリ!
◇また徐々にブログに開店に向けた進行情況をupしていく。]]> 【BAR Lowo=Tar=Voga】開店日記-01-序の序 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1066940 2013-02-05T05:26:00+09:00 2013-02-27T09:32:22Z 2013-02-04T20:26:00Z ◇ほんとうに長らく書いていなかったこのブログ。ツイッターやフェイスブックをやっていた。現代におけるブログの存在意義を問うとやはり愛着もあるので辞める選択はなかった。このブログ実は前段階の非公式ブログから見て10数年、20代から書いているのであった。
◇体罰... voga 誰かのための日記
◇体罰のこととか女子柔道のこととかアイドルのこととか、なにかが壊れたような事件が多い。その揉め事の種類もなにか眼に見えぬ『ぬえ』のようなものを過剰に恐れていたり、いわしの頭を干したら済むのか!と怒ってみたりするような事件に思う。みもふたもないような、そんなあらましばかり。肝の据わった顔役や、整理して問題を解決するインテリや、愛情や惻隠の情で枯れた心を潤す博愛者や、ならぬものを「ならぬ」と言い「それを決めたら真っ直ぐゆけ」と背中を押してくれる人格ある老年者はどこで活躍してるのだろう。ならず者のわたしには、それが気になってしまう。
◇【Ato-Saki】大阪-東京公演後、VOGAはどうしてるのか?と思われている方も多いかと思いますが、ちゃんと稽古も続け、公演の準備も進めておりますのでそのときはどうぞよろしくお願いします。
◇今後のVOGAの方針として、自分たちなりの全精力・全人格をかけた公演しかしないことに決めた。だからしばらくは公演の数を多くできないことになりそう。時代を逆行していると自覚はあるのだが、いろいろ勘案した結果そうだと思ったのでご容赦ください。
◇なぜ久々にブログを書いているのか。それはわたくし近藤和見に大きな転機がきたからであります。それはVOGAそのものの未来にも関わりがあり、あるいは超極私的なことでもあります。その発表のときが近付いてきたのでその春めいたようなわたくしの気配をみなさんに感じていただこう、という意味で再開させました。今後ふたつきほどこのテーマで書き繋いでゆこうと思います。どうぞ、おつきあいのほど。]]> 続あとさき日記-07-【Ato-Saki】東京宣伝作戦01 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1066939 2011-11-24T07:29:00+09:00 2011-11-23T23:15:46Z 2011-11-23T22:29:00Z ◆11月22日大阪日日新聞朝刊に【Ato-Saki】大阪公演の劇評が大きく取り上げられた。作品の本質的な部分をしっかりした文章で書いていただいた。地味な劇団の自覚のある当方といたしては有難く、感謝する次第である。
表紙絵・足田メロウ
◆東京は遠い。思えば関西で公... 近藤和見 続あとさき日記
表紙絵・足田メロウ
◆東京は遠い。思えば関西で公演を14年やり続けてきた。しかも劇団同士のつきあいや交流もほとんどない。『ガラケー』とか聞くとドキッとする。東京は遠い。あのような縁もゆかりもない場所で舞台をする。身の程は知らず。会場費がタダ同然の演劇フェスに参加することもない。こんなリスキーで不利な公演を決行する劇団は我らがヴォガしかなかろう。本当にバカなのかもしれない。
◆20代の僕にとって、ずっと東京は遠い場所だった。当たり前の生活を望まず、恋人への義理など一顧だにせず、才無き不幸を呪いながら懸命に脚本を書き、鬼のような顔をして稽古でがなり、メシも喰わず身をすり減らし音楽を作っても、こしらえた舞台は一度たりと、ひらめいたイメージにたどり着けなかった。舞台の出来不出来の問題ではなく「イメージにたどり着けているか、否か」というテーゼである。それには才能・努力だけでなく人材やお金もいるかもしれない。しかしそれも全部自分の問題であると思う。ひとりで全部できないかもしれないが、全部ひとりでできるかもしれない。ヴォガにそんな連中が集まれば恐れるものなどあるべきものか。と思えど不成。そんなこんなで地元関西の公演もそんな状態であるのに関西から出る公演なんて思いもしなかった。振り返ればそんな20代である。
【Ato-Saki】大阪公演/写真・中野雨衣子
◆とはいえ僕はネチネチとある種のたくらみを進めていた。いまとなればいわば信条を守ったといってもよい。それは15周年という区切りを劇団の大いなる転換期にしよう、というたくらみであった。10周年記念作【新青年】公演後は深い谷にもぐりこんでしまい、悪い意味での大いなる転換期(停止期といってもよい)となった反省にもとづく。反省の理由として、
?代表カゲロヲの活動休止(深くは語るまい)
?1,000人動員しながらも発生した200万円を超える大赤字の返済(3,000人動員する気だった)
?公演できず劇団員がひとりまたひとりと去る(去るものは追わぬ)
?現実逃避のために日々宴会を開催する僕の私生活の乱れ(勝負師イメージの誤用)
といったものが挙げられる。
とにかく[すべからく15周年記念作は飛躍するべし]と胸に深く、あたかも親のカタキのように刻み込んだ。
※ちなみに前述が正しい「すべからく〜べし」の用法。漢学者高島俊男先生によると「すべからく=べし」という意であって、2重に「べしべし」いうとるそうだ。べきであるある。
◆東京は遠いが、ひとりでも多くの観客の前で表現したいと願っている。だから今月末、生活が壊れんばかりの生活状況の中、僕は無理やり東京へ宣伝にいく。家人には苦労をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいだ。そういう按配なのでどうか東京のみなさま、奮って僕に連絡くれたし。どこでもいってチラシを散らし、チケットを売る。その間にノートPCを開き、脚本を推敲し、音楽をこしらえる。左手にチラシ、クチにチケット、右手にマウスの心意気である。
【Ato-Saki】大阪公演/写真・中野雨衣子
◆そして関西在住の親愛なるヴォガ関係者、そしてそして【Ato-Saki】大阪公演をご覧になって「良い舞台だった」とお思いになられた親愛なる観客の皆様。関東在住の知人・友人・知人の知人・友人の友人にいたるまで「ヴォガ観にいったらよいよ」とお伝えくださいまし。平に。切に。]]> 続あとさき日記-06-大阪公演終了 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1066938 2011-10-31T17:18:00+09:00 2011-10-31T08:43:16Z 2011-10-31T08:18:00Z ◆もうもう、てんやわんやの結成15周年記念作品【Ato-Saki】大阪公演が終わった。東京公演への改編・練り直し作業が今日から始まる。長い旅路といえる。感想などうかがう。おおむね好評と聞く。しかし賛があれば否もある。これは当然である。ただでさえ2時間40分弱の上演時... 近藤和見 続あとさき日記
◆来年1月、ヴォガは結成15年を過ぐる。どれだけやっても「やはり舞台は難しい」という思いが大阪公演終了後に残った。そしてだからこそ考え声を出して行動してさらに進化させた【Ato-Saki】で東京に向かいたいと思っている。
★ご来場いただだいた方、協力いただいた方々、ありがとうございました。
]]> 続あとさき日記-05-名曲【手のひら】04 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1066937 2011-09-07T04:58:36+09:00 2011-09-13T15:13:12Z 2011-09-06T19:58:36Z ◆先日家人がヨーロッパ(ザックリしてるが)に行った。1ヶ月の演奏旅行だ。幾分、不安はあるが、とりあえず家を掃除しまくって洗濯して台所をピカピカにしてお粥を作って食べた。粥をすすっても、ひとり。齢36の大人である。おろおろうろたえていてはいけないのだ。ひとり... 近藤和見 続あとさき日記
◆【Ato-Saki】は再演とはいえ脚本を大いに練り直さねばならない。もう5年過ぎてずいぶんいまの感覚と違うし、不親切で不寛容な部分も見える。鉢巻締めて不退転の覚悟で書いている。ご期待いただきたい。
◆さて名曲である。飽くまで私の主観である。今回は長渕剛さんを紹介する。家人に「良い曲じゃない?」と長渕さんの曲をかけて聴かせると「ひとりでヘッドフォンにして聴いてくれる?」と辛辣に責められる、を例にあげるまでもなく『アンチ、ナガブチ』は多い。確かにとんでもないキャラクターである。ドラッグで捕まったりもした。なんともいえないが、良くも悪くも自分を変化させ続け、この生き馬の目を抜くような芸能界でしっかり活動しておられる。社会性の強いひとは彼のような人物は嫌いかもしれない。音楽を聴くまでもなく、おなじコミュニティで仲良くなれそうもない、と表層心理で思った瞬間に『ダメ』ということだろう。それはそういうことでしょうがないが、そういう社会だからコスプレ的ではない真性のアクのある人物が世に出れなくなってしまったのではないか。
◆彼には歴史がある。30年を超えるキャリアがある。私のようなオールドファンにはいわゆる『さわやかツヨシ』時代の印象のほうがまだ強く残っており、現在の彼の変容に対して戸惑いのような感覚はある。けれども私は嫌いになるどころか、まだ新しいファンをしっかり開拓し続けている姿に敬意を抱く。ただ彼の新曲の音楽性とは共感できなくなってしまった。
◆多かれ少なかれ、長く一線で活動する表現者はふたつのものを持っている。ひとつは時間軸のなかで対外的な自分を変化させ続けること。かなり強い意図で『変態』させている。もうひとつは歌詞にせよメロディにせよ存在に対し、執着し続けるフェチを持ちそれを変化させないこと。そこは単なる『変態』といってもよい。そのほとんどのベテラン表現者は両方を持っている。少なくともいづれかは持っている。私は例外を知らない。小田和正さんはフェチ派か。井上陽水さんはどちらも持っているがやや変化の振り幅が穏やか。伊勢正三さんはフェチ派だ。南こうせつさんはどちらでもないのか?ん。…でもかぐや姫は好きだ。泉谷さんは…、閑話気味になってきた。
◆今回はいわゆる『さわやかツヨシ』時代の隠れた佳作【手のひら】を聴いていただきたい。美声である。叙情である。『アンチ、ナガブチ』様方にちょっとは彼を見直して欲しい。叙情が嫌いなひとは別の機会にでもそういった曲を紹介したい。ま、嫌いなままでもいいのだが。
◆改めて聴いて、ふと思い出している。中学に入った時分だろうか、SONYドデカホーンCDが家に届いた。「欲しい欲しい!」と姉と二人で協同し地団駄踏んで母におねだりし買ってもらったのだ。その黒光りする新品のドデカホーンをダンボールから出した瞬間の金属の匂い。嬉しい匂いがする。そしてまだそれほど普及していなかったCDを買いに走る姉。初めて聴いた曲はレベッカだったと思う。封を開けびっくりする私たち。その見たことない七色の輝きはどうしたことか。一同、うっとりする。私の世代にとってはまさに『青春の輝き』。CDに一番驚いていたのは母だ。「こんなんで音なるんやー」とうなる。母子家庭で貧乏だったけど、彼女は姉弟に不自由を感じさせなかった。みんな楽しげに笑っている。…いま眼前にそんなささやかな家族の仕合せが見えているのだった。
VIDEO ]]> 続あとさき日記-04-名曲【電光石火に銀の靴】03 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1066752 2011-09-02T07:50:13+09:00 2011-09-01T23:39:32Z 2011-09-01T22:50:13Z ◆稽古が充実してきた。動き(ヴォガ符牒では動作)を作っている。最近は劇団員だけじゃなくぼちぼちと客演の役者も参加し始めた。稽古場の人数が増えると、あたかも小学一年生の足し算のように活気が増えるようだ。これ然り。台本は例の如く遅れ気味。だが動作稽古は進ん... 近藤和見 続あとさき日記
◆なお、先行予約は終わった。みなさん、お早めに。私、近藤和見の知人・友人の方はご連絡を。
◆さて今回の名曲である。20年前のこと。遅れてきたフォーク少年だった私は明らかに古臭いなにかを放つ若者だった。ときおりTVで深夜、放送される60・70年代フォークの映像を三角座りで見ながら「じいいいーん」と小さな胸を熱くしていたことであった。学校では友達と呼べる相手が片手に余った。昼は独りで弁当を手早く喰い、むしろ食後、ルンルンと教室から小走りに理科準備室へ移動。理科準備室の鍵を内からしっかりかけ、私は独りになれた。理科の先生が憐みからか、音楽部屋としての使用を許可し鍵を貸してくれたのだった。私は毎日無駄にギターをかき鳴らし無駄に声を枯らし、心地よく汗をかいた。弾き語る歌手たちは吉田拓郎さんや尾崎豊さん、伊勢正三さん、かぐや姫さん、長渕剛さんや井上陽水さん、そして今回紹介する泉谷しげるさんであった。私のスター達である。誤解を恐れず言うならばこうだ。私だけのスター達だ、と。そう思いたいくらい一曲いっきょく、歌詞やメロディを真剣に考え思っていたのである。
◆「近藤和見の作る曲にフォークの片鱗がない」と言われる。自分では解らない。いや解っている。コンピュータを駆使した音のなかにしっかりフォークソングの文脈は埋めているつもりなのだ。それはフォークソングに造詣の深いファンしか感じ取れないものなのだろう。しかしあえて感じ取れないようにしている自覚もある。嗚呼、難解なる我が心よ。青春時代を振り返ると言い訳じみる。まるで不完全な過去の自分を補おうとするようだ。キリがない。とにかく、とりあえず曲紹介だ。歌詞をご覧になっていただこう。
___________________
【電光石火に銀の靴】詞・曲:泉谷しげる
君を君をとじこめる奴の気が知れないぜ
君を君をとじこめる奴は君に気づかない
火の中をかける君こそステキさ
嵐に花を咲かす君がイイ!
電光石火に銀の靴
これが君へのプレゼント
電光石火に銀の靴
これが君へのプレゼント
サイクルの耳かざりと
シルバーのサングラスと
ピンクのシャドウと
ブルーのドレスが君らしい
君を君をとじこめる奴の気が知れないぜ
君を君をとじこめる奴は君に気づかない
イナズマにキスをする君こそステキさ
シャウトの夜をドライブする君がイイ!
電光石火に銀の靴
これが君へのプレゼント
電光石火に銀の靴
これが君へのプレゼント
___________________
◆絶妙の不思議と現実を感じる。初版グリム童話(桐生操のではない!)の作品のようではないか。泉谷さんには、ほかにもたくさん好きな曲がある。味わいある曲が多い。いわゆる名曲と思しき選択はほかにもできる。今回が泉谷さんのベストというわけではない。だけれど、2011年9月2日の私にはこの曲が急迫するのである。きっと、近づく強い風にあおられているのだ。
VIDEO
◆思春期に出会うことはすべてこれ、死ぬまでの血肉であり宝だ。泉谷しげるさんのカセットテープをわざわざ作り私に下すった青春時代の数少ない友達、R・I氏に出会わなければ今の私はない。この場を借りてR・I氏に深く感謝する。]]> 続あとさき日記-03-名曲【思秋期】02 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1065943 2011-08-10T12:58:00+09:00 2011-08-22T16:57:47Z 2011-08-10T03:58:00Z ◆去る8/6(土)に京都三条木屋町UrBANGUILDにて執り行った顔合わせ一般公開イベント、無事終了いたした。半分スタッフ・役者、半分が一般のお客様。顔合わせの制作話なども含め一般公開するという非常に変わったイベントであったが、みなさん楽しんでくだすったようで感謝... 近藤和見 続あとさき日記
◆さて、名曲を。今回はもはや巨匠といってもよいヴォーカリスト岩崎宏美さんの曲を紹介したいと思う。曲名は【思秋期】。あえて作品発表時ではない映像を選んだ。改めて聴いてみると、彼女ほどの歌い手が現役最前線にいない日本の音楽市場が寂しく思われる。それは僕だけの感慨だろうか。テレビの歌番組は如実に流行を追う。それは当然である。しかしながらその1/3、いやせめて1/5くらいの時間を実力あるベテラン歌手を取り上げてくれまいか。聴きたいひとは多く潜在しているはずだ。せっかくの才能もその実力を維持したまま枯れゆく。ある種の理不尽を思う。そういうものだ、とは言えまい。視聴者がただ漫然とメディアから出されるものを待っているからそうなるのかもしれない。それはメディアだけの問題ではないのだ。抗しがたいことである。しかし、何度聴いても染み入る歌声だ。コンサートがあったら行こうか。選択肢は狭まるがなくなるわけじゃないのだから。
◆しかしながらこの声量よ。この繊細な歌心よ。
◆作詞:阿久 悠・作曲:三木たかし、素晴らしい組み合わせである。おふたりとも故人となられた。しかし歌は残った。僕の心にも残った。いち表現者として羨む。僕も努力して世に残るなにかを作って行きたい。
VIDEO ]]> 続あとさき日記-02-名曲【秋冬】01 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1065534 2011-07-29T07:08:24+09:00 2011-09-01T22:51:12Z 2011-07-28T22:08:24Z ◆生活が苦しい。「酒は楽し、将棋は苦し、人生は哀し」、嗚呼!まず舞台のことばかりしているとこうなる、の例だ。この構造を恨むよりなんとか自分で改革するべき、と己が青白き尻を鞭打たねばならぬ。とはいえ、徹夜で考えた作品を稽古する日々が嫌なことあろうはずなく... 近藤和見 続あとさき日記
◆書いたり考えたりしながら、ぎざぎざした夜の隙間をほっとYouTubeで埋めているのだが、もはや36歳というミドルに差し掛かった『哀しき我が心』が、文字通り失った何かを、埋めよう、埋めようと急くのか。
◆強要するわけではないのだが今回、是非、紹介したい曲がある。それは高田みづえさんの【秋冬】である。「シュウトウ」と読む。名曲、と題しているが、わたくし近藤の主観である。議論の余地は、お聴きになった上でのあなたの脳細胞と精神にある。悪しからずや。
VIDEO
◆紹介するからには「わいは昔からみづえファンでっせ!」と言いたいところだが、じつはこの方の記憶はほとんどない。しっかり存在を覚えているのに、あまり彼女の振る舞いや様子が浮かばない。何故あろうか。おそらく高田みづえさんの美しさであるとか、歌の素晴らしさが少年の近藤和見にはピンとこなかったのだろう。率直に言って地味な佇まいである。しかし『哀しき我が心』目線といおうか、現在の感覚で見ると高田みづえさんはとても可憐である。儚げである。
◆私は最近、ふと気付けばこの曲を無意識にくちずさんでいる。お風呂でもトイレでも駅のホームでも、おそらく思い詰めた顔をしてくちずさんでいる。不思議である。運悪く目撃した人も不思議な気持ちになっているだろう。ピンとこなかったわりにしっかり記憶に定着していたこの曲(だからこそ名曲と解する)、その記憶に対してバッドミドルの『哀しき我が心』は共感を求め、邂逅したのではありますまいか。「♪季節の変わり目をあなたの心で知るなんて」云々、あたかもこの歌詞が「♪世代の変わり目をみづえの美声で知るなんて」と私に切なく教えるようだ。
◆イベントも近い今日この頃。以下、詳細です。出来たてホヤホヤのフライヤーも配ります。素晴らしい表紙絵をご存知、足田メロウさんが描いてくださいました。知らない?あんた、もぐりだな。そしてチケットが早く欲しい!という奇特なお方。我がことながら、自信を持ってお勧めします。そうじゃなきゃやってる意味がないのであります。是非、一切合財、お越しあれ。]]> 続あとさき日記-01-Performing Arts Company VOGA http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1064199 2011-06-25T19:32:55+09:00 2011-07-29T02:55:51Z 2011-06-25T10:32:55Z ★事件です。公演準備を進めています。地下水脈のごとく見えないところを進めています。いまのうちに留意していただき、予定を空けてくだされ。いい舞台をお見せできると思いまする。初の東京公演です。
Performing Arts Company VOGA
結成15周年記念作品
【Ato-Sak... 近藤和見 続あとさき日記
Performing Arts Company VOGA
結成15周年記念作品
【Ato-Saki】
作・演出・音楽:近藤和見
◇出演者
草壁 カゲロヲ
ハ・スジョン
ふくだ まさと
昭和 今日子
(※以上、ヴォガ)
足立 昌弥
新井 達也(CrossRopeLife)
岡田 将司
田中・G・ツヨシ
堀井 和也
松嵜 佑一(A級MissingLink)
ゆかわ たかし(昭和芸能舎)
横山 直樹
谷 弘恵
高橋 理紗(空の驛舎)
滝沢 侑子
ののあざみ
他
◇大阪公演
☆日時
2011年10月22日〜30日
☆大阪公演会場
大阪芸術創造館:大練習室
◇東京公演
☆日時
2012年1月6日〜9日
☆東京公演会場
シアターグリーン:BASE THEATER
★詳細はまた。7月末にフライヤー、こしらえます。
★ん?お気づきになられましたか。あなた流石ですね、というよりしょうがありますまいが。そうです、そうなんです。劇団名を結成15周年記念より変えます。
Lowo=Tar=Voga(ロヲ=タァル=ヴォガ)
↓改め
VOGA(ヴォガ)
★長年、連れ添ってきた愛着ある名前です。が、変えます。意味はイタリア語で『流行(トレンド)』ということだそうです。が、もともと「僕」という言葉を「ヴォガァ」ともじったところから始まっているので、正味意味があったなんてちょっと面白いくらいです。
…ふっ、『トレンド』。
…正気か。
★先日VOGAは、『冬将軍』という東日本大震災のチャリティイベントに出演しました。そのときのテキストを以下に発表します。ちょっと詩的な表現でもあり、意味を限定できないところもあるので、考えるより感じてもらえれば、と思います。]]> 誰かのための日記-028-東京⇔大阪公演 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1059819 2011-02-27T03:50:13+09:00 2011-02-26T18:50:14Z 2011-02-26T18:50:13Z ◆今年はとても恐ろしい何かが起きてしまいそうで怖い。最近忙しいのだけれど、ふと、われに返るとそんな不安が過ぎる。そうだった、僕は不安症なのだった。
◆明日、朝から新幹線に乗って(バスで行きたいのだが時間がないのだ!)東京の劇場と契約しにいく。今年の終わ... 近藤和見 誰かのための日記
◆明日、朝から新幹線に乗って(バスで行きたいのだが時間がないのだ!)東京の劇場と契約しにいく。今年の終わりに大阪公演。来年の初めに東京公演。来年2012年はLowo=Tar=Vogaの結成15周年記念公演をすることになった。先のことだがお見知りおきを。
◆感染力の強いなにかが着実に広がっている気がしている。そうだった、僕は。]]> 誰かのための日記-027-はやい http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1054794 2010-11-23T00:27:09+09:00 2010-11-22T22:18:24Z 2010-11-22T15:27:09Z ★【鳥がいない】公演が終わって一度もブログを書いていなかったことに愕然。ついこの間のことのようだが、すでに、ひと月と2週間が過ぎている。ツイッターに参加し始めたからかと思うな。「ブログ楽しみにしてるんですよ」といってくださる方もいて、もっと書かないととは... 近藤和見 誰かのための日記
★【鳥がいない】公演は盛況のうちに終えることができた。そして次回公演はまだまだ先になりそう。なにせ時間が過ぎるのがはやい。ずんずん進む。はや過ぎる。だから公演はまだまだ先だと思っていても、きっとすぐにやってくるのだ。安穏としていられない。]]> 鳥がいない日記-03-【鳥がいない】PV映像。 http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1049241 2010-09-28T00:41:37+09:00 2010-11-22T22:16:37Z 2010-09-27T15:41:37Z ★ようやく頭が、思考の坂道を越えた気がする。【鳥がいない】どちらかというとしんみりとした内容だ。ここ最近、すごく静かな気持ちで、静かな印象の舞台をイメージしている。舞台の方法論も姿勢もそうなのだ。しかしなかなか難解なイメージのようで(ぼくは自分で考えて... 近藤和見 鳥がいない日記
★【鳥がいない】PV-製作:松浦莞二
まぁ(笑)、舞台ではまた違う感じでしょうが、たまには代表カゲロヲ氏のとぼけた様子がみたい、ということでこのような映像を撮っていただいた。
★【葉漏れ陽のジギタリス】PV-製作:松浦莞二
10年前、京都吉田神社の境内で執り行った公演がようやく映像になりました。【鳥がいない】会場で発売するようです。ぼくもこの頃、25歳。若さあふれる公演でした。
]]> 鳥がいない日記-02-公演が近づいてきた! http://blog.lowotarvoga.net/?eid=1048515 2010-09-21T04:08:26+09:00 2011-09-13T15:13:12Z 2010-09-20T19:08:26Z ★ブログがご無沙汰でもうすでに忘れ去られた存在かもしれない。ツイッターというものに参加してから、ブログを書こうという意識が薄れたのかもしれないが、それとこれは別物。ぼくは人生というものを見直したほうがいい。
★【鳥がいない】公演が近づいてきた。稽古... 近藤和見 鳥がいない日記
★【鳥がいない】公演が近づいてきた。稽古は熱がはいっていて、やはり男だらけの稽古場は眼には見えぬ男同士のライバル心というものがソコハカトナク漂っていて、ピリッとしている。以前「異性より同姓の嫉妬がすごいのよ!」みたいなことをバアで隣り合わせたひとに聞いたが、きっとライバル心にも通底することなんだろうね。でも嫉妬心とライバル心は似て非なるものだとは思っている。]]>