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誰かのための日記-021-竜王と名人
◆今日は頭痛がひどくてずっと横になっていた。風邪かなあ?ちょっと熱もあるみたい。生活もあまり上手くない状況。家族はぼくだけ断絶状態、犬は鳴き、嵐は屋根を飛ばし、酒はのどに沁みる。これすべて天罰じゃないかと、内心、グズる。

◆12月18日、将棋界では誰かがシナリオを書いたような、そんなエポックメイキングな出来事があった。竜王戦七番勝負の7戦目、竜王渡辺明対挑戦者羽生善治名人の戦い。大決戦である。そのシナリオが面白いところはまず、お互いに永世竜王(引退してから名乗る名誉称号、連続5期あるいは通算7期保持が条件)をかけた勝負であること。すでに偉大な棋士である羽生名人であるが、今回永世竜王になると7つあるタイトルすべての永世称号を取ることになり史上初の永世7冠の保持者となること(過去全タイトル7冠を保持したことがあることから2度目の7冠といわれている)。そしてなにより棋界最高位である竜王を次世代の天才、渡辺竜王を争うこと。俗に羽生世代、渡辺世代と呼ばれている2者の代表が直接戦う、これ以上ないシチュエーションなのである。

◆はじまってみれば羽生名人が3連勝を果たし、棋界スズメはさじを投げた。「もう永世竜王は羽生のものだ」と判断したのである。それは将棋界最大のジンクス『3連敗4連勝を成しえたものはいない』という単純な統計からである。囲碁の世界では6度あったらしいが、将棋界ではこれまで1度も記録されていないのだ。そして人気絶大の羽生善治という存在を敵にまわす渡辺竜王は四面楚歌の状況。渡辺明24歳、3連敗後のその心中、察するに余る。ところがジンクス(統計)やタブー(権威)の存在など無いが如く、4連勝した。羽生名人からタイトル戦で3連敗4連勝できるなんてだれも想像すらしなかった。将棋界すべてのひとがのけぞる驚愕のラストシーンだった。

◆その最終局、渡辺さんも羽生さんも応援していたぼくは、どちらが勝っても嬉しいし悔しい。だから勝負の顛末よりむしろ、大勝負に向かうふたりの佇まいに注目した。その様子は28日23時よりTBS系『情熱大陸』で放送するそうで、興味がある方、観て欲しい。

◆もしかしたら羽生さんの本当のライバルが現れたのかもしれない。大山15世名人の真のライバルが升田幸三ではなく中原16世名人だったように。しかし渡辺さんは周囲の期待通り大きく成長している。あんな風にクールな雰囲気なのに、なぜかとても熱いものが伝わってくる。確かに羽生さんのようにかっこよくはないけど、年齢を重ねるうちに味わいが深まるだろう。今回のふたりの戦いはこれから続くであろう長い戦いの始まりである。渡辺×羽生という黄金カードを空想する。わくわくと胸が躍る。ぼくはとても楽しみに思う。

◆将棋の文筆家であり批評家である河口俊彦7段は、当時15歳だった渡辺竜王のデビュー戦で、その才能に感じ入りこう書いた。いわく「諸君!脱帽せよ!」。先見ある河口7段の言葉はいま、9年の時を得て現実になったのである。
| 誰かのための日記 | 08:13 | comments(6) | trackbacks(0) |
Comments
海野野チカのプロ棋士漫画「3月のライオン」を見て将棋に興味を持ってたところだったので、このニュースは繰り返しみました。

どれほどすごいかなんて、にわか野次馬にはなかなか諮りかねますが、どちらの立場も人間としてすごい興味沸きます。

しかし羽生さん、面構えがいい感じに年をかさねてる感じが素敵だなあ。。。


和見君、なかなか本番行けてなくてゴメン。
| のそ | 2008/12/20 11:39 AM |
>のそさま

お久し振りです。推敲中のページが残っていて、そちらのコメントをこちらに移したことをご了承くださいませ。

最近、将棋の漫画も面白くなってきたらしいですね。『ハチワンダイバー』と『3月のライオン(羽海野チカとウィキででましたよ?)』はいまいい感じだそうです。読んだことないんですが…。『月下の棋士』とか将棋知ってたら笑っちゃうような漫画が多かったんですが、嬉しいですねー。

羽生さん、もう仙人みたいになってます。まだ40歳前なのに…。めがねも鼻の頭にかかってたりして、大村崑さんを意識してるとかしてないとか。なにせ素敵です。

本番、また来てねー。赤字で死にそうですが、頑張ってます♪
| 近藤和見 | 2008/12/20 11:48 AM |
ぼくは小さい頃、なんとなく加藤一二三氏が好きで新聞の将棋欄を見たりした事がありました。
でも一番好きなのは小池重明氏です。昔テレビで特集みたいのをやってた記憶があって好きでした。将棋以外はまるで駄目な感じが好きです。名前があってたか不安だったんでYouTubeを使って昔の番組を調べてみたらそんな昔の人じゃなかったんですね。偶然、羽生と会った事もあるみたいで・・・是非対戦して欲しかった。
| 赤井 | 2008/12/21 10:41 PM |
>赤井さま

あら!赤井さんから加藤一二三とか小池重明の名前がでるなんて、意外です。新宿将棋センターが根城だった小池氏ならなんとなく羽生さんに会ってそうですね。
赤井さん、将棋に興味あるのでしたら将棋部つくりましょうよ〜。
| 近藤和見 | 2008/12/22 4:25 PM |
将棋は一回やるのに時間がかかるんで今は全くやってないですね。やったとしてもすでに美濃ぐらいしかわからなくなってますし。
| 赤井 | 2008/12/23 2:29 AM |
>赤井さま

リハビリはいるでしょうね。将棋はやっていいことばかり。良かったらみなさんもぜひ。ぼくはもっぱら読むほうですが。
| 近藤和見 | 2008/12/24 3:59 PM |









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