2006.05.07 Sunday
Event Title【鈴虫】より『take-bowのためのテキスト』
◆先日2006.5.1、京都は黒谷・永運院書院でおこなわれた【鈴虫】という公演で、友人の音楽家take-bowにテキストを提供した。公開してもよい旨をいただいたので、記す。
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「take-bowのためのテキスト」
山上まで 続く 石畳の道 それを登る ふたつの陰
右の陰が震え その ぴったりと寄りそう 左の陰
のきさきに 茹だった容子の ラブラドール みゆる
はなさきに 微香の風が これは白檀 におう
左の陰が 南天を ついばむ
右の陰が 南天を 受け取る
右の陰は それを ふたつに裂く
左の陰は その片割れを受け取る
ふたつの陰が 震える
また 一歩と 惰眠の 階段を あがり
頂結のひかり まぶしさに 目覚めくる
うっすらと くちなし色の
かすみがかった そのベール
日常と夢の分岐点を 隠す
夢の分岐点に 『nada』という音
なめらかに 聴こうる
『小さな死』から 『小さな生』へ 迎えるための
天から降りおる 人外境からの音 聴こうる
その音は 山の 稜線のような なめらかな自然の産物で
「美しい」という 不自然の
人口の目線さえ なければ
ただ その音は 自然のまま 在り続けて いたのだろう
無意識に消えた その 音は
ゆめゆめと 『小さな死』を迎えた
なめらかな その音は 無意識に 潜んで
まさかと 「消えてしまった」 よな
ときに その音は
明るい陽射しに そよそよ揺れる葉洩れ陽の
あたたかな まどろみと 憧れをくれた
ときに その音は
マチ針のような一刺しの 意外な苦痛を仕掛け
感傷と呼ぶ 『小さな麻痺』をもたらした
音は 天から 響き おり やがて無意識に 帰す
無意識は 息を潜め 隠れ 降り やがて夢に きたる
石畳 空をうつした 大粒の雨
その灰色の 秘密の青さ
降りおり 色を失い ひとところに集まり
『みづかがみ』となり
左の陰の てのひらから 白檀の風に
こぼれた南天がうつった 『みづかがみ』
無意識は 不自然の裏側で
人口の目線がなければ
きっと そこに 在り続けて いたのだ
その音は 『無』
その音は
その音は 『無』
…その音は
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「take-bowのためのテキスト」
山上まで 続く 石畳の道 それを登る ふたつの陰
右の陰が震え その ぴったりと寄りそう 左の陰
のきさきに 茹だった容子の ラブラドール みゆる
はなさきに 微香の風が これは白檀 におう
左の陰が 南天を ついばむ
右の陰が 南天を 受け取る
右の陰は それを ふたつに裂く
左の陰は その片割れを受け取る
ふたつの陰が 震える
また 一歩と 惰眠の 階段を あがり
頂結のひかり まぶしさに 目覚めくる
うっすらと くちなし色の
かすみがかった そのベール
日常と夢の分岐点を 隠す
夢の分岐点に 『nada』という音
なめらかに 聴こうる
『小さな死』から 『小さな生』へ 迎えるための
天から降りおる 人外境からの音 聴こうる
その音は 山の 稜線のような なめらかな自然の産物で
「美しい」という 不自然の
人口の目線さえ なければ
ただ その音は 自然のまま 在り続けて いたのだろう
無意識に消えた その 音は
ゆめゆめと 『小さな死』を迎えた
なめらかな その音は 無意識に 潜んで
まさかと 「消えてしまった」 よな
ときに その音は
明るい陽射しに そよそよ揺れる葉洩れ陽の
あたたかな まどろみと 憧れをくれた
ときに その音は
マチ針のような一刺しの 意外な苦痛を仕掛け
感傷と呼ぶ 『小さな麻痺』をもたらした
音は 天から 響き おり やがて無意識に 帰す
無意識は 息を潜め 隠れ 降り やがて夢に きたる
石畳 空をうつした 大粒の雨
その灰色の 秘密の青さ
降りおり 色を失い ひとところに集まり
『みづかがみ』となり
左の陰の てのひらから 白檀の風に
こぼれた南天がうつった 『みづかがみ』
無意識は 不自然の裏側で
人口の目線がなければ
きっと そこに 在り続けて いたのだ
その音は 『無』
その音は
その音は 『無』
…その音は