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小説筆記-5-ご破算にして、改めてすこしづつ書く
◆5日前、風呂で寝てしまった。6時間も風呂にはいったのは初めてで、翌日の悪寒と頭痛で楽しみにしていた『UrBAN GUILD』Opening partyにいけなかった。つくづく不義理である。

◆前回の習作はご破算にすることにした。知り合いから「かずみくんのこと違うの?」といわれたのは問題である。自分の経験談ではないのだが、私小説にしない、といったのにそう見えるなら題材選びで失敗したのに違いない。往生際は悪い方なのだが、この場合は仕方がない。

◆新しいアイデアでもって、改めて書くことにする。『自由人』リバタリアンというタイトルである。


【Libertarian】

人間くさい馴れあいから、つきなみな興奮から
さっぱりと解放されて おまえは
きままに飛んでゆくか。

また見つかった。
何が?―「永遠」。
太陽を連れていってしまった海だ。
(アルチュール・ランボー『永遠』より)

:P−1
 その少年は熱いシャワーで身体に残る泡をすっかり洗い流した。排水口へ白濁した湯が流れ切るのを眺め、赤い印の蛇口を閉めた。少年は水になったシャワーの首を足許に向け冷やした。身体を温め過ぎて汗が噴き出すのは、あのひとが嫌うことのひとつだ。

 石鹸の香りと湯気に包まれ、少年はシャワールームをでた。素裸に分厚いバスタオルを肩掛け、なめらかな白い石造りの化粧鏡の前に立った。丁寧に織り込まれた柔らかな小さなタオルを棚から取り出し、曇った鏡の水蒸気をぬぐう。身体から湯気が発たなくなった時、彼は全身に森の香りのする油を塗り終わった。そして、排気の済んだバスルームに引き戻り、さっき化粧鏡にそうしたように、自分の身体にそうしたように、タイルや蛇口に残った水滴をすべて拭き取った。シャワールームはまるで、夏を過ぎた海辺のように、静けさを取り戻した。
| よみもの | 06:01 | comments(2) | trackbacks(1) |
Comments
あれれ、よくかずみさんの事を知っている人にはそう思えたのかしら?
ちょっと、残念。ろばは、自分に対してフィクションを作ってしまうんで、いつもごちゃまぜです。でも、確かに最近は、作品化の過程で、混濁しながらも、きちんとしてみようかなと、も。とても矛盾してます。
| ろば | 2006/05/05 1:06 PM |
そうですね。残念ですがたぶん、ああいう文体で書くと私小説的なニュアンスに感じられたりするのだろうと思います。ぼくの幼年期の話はだれも知らないはずなのに。自分としてはカポーティのように軽やかな幼年期を書いたつもりだったのですが。ろばさんの表現は自己発現というものを強く感じさせてくれますね。これからはずっと欠かさず拝見したいと思っています。こちらも続きを楽しみにしていて下さい。
| 近藤和見 | 2006/05/05 8:35 PM |









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