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鳥がいない日記-01-【鳥がいない】へのオブリージュ
★滝のような汗。嫌いじゃない。ただ頭痛から逃げたい。人間ドックにいく計画が進行している。が、ぼくが停滞させている。

★【鳥がいない】公演は先行発売期間中。先日、座長カゲロヲ氏の個展(個人展?)が行われてそこでカゲロヲ氏とぼくとでテキストを読んだ。それだけのためにちょっと書いた。10月の公演の内容とは違うのだが、ひとつのイメージではある。ここに掲載してみる。


※近:近藤和見・草:草壁カゲロヲ
【鳥がいない】へのオブリージュ

近:僕はね、残念でしょうがないのです。これはただの空虚です。良く磨かれたクロガネが狂いなく組み合わせてあります。それにはささやかで上品な、修飾がほどこされであります。釣り上げられたそのドームは、そよとした風にも揺れるのです。
草:けれど、けして、落ちたりはしない!
近:そう、しっかりとした留め金でけっして落ちたりはしません。難攻不落であります。しかし残念ながら、それを飼う目的であるはずの、そのかごのなかにはなぜか、
ふたり:鳥が!いない!

草:僕もね、哀しくてしょうがない。良く磨かれたクロガネがこの異常を強調する。夜空を下敷きにした飾り格子も、本来の目的を失って、ただの工芸品に成り下がった。かごのなかは空っぽ。格子から見える向こうの背景。すきま。すきまだけが目立つじゃないか。
近:暗闇にさえぎられるようなものです。
草:いや、まだ眼をつぶっていたほうが、ましだ。暗闇では俺一人の映画館がある。カタカタと音をたて、思うままのロマンスや冒険やドキュメントが放映される。うっとりだ。しかし哀しいことに、俺の空想映画館のなかにも、なぜか
ふたり:鳥が!いない!

近:このクロガネの、飾り格子の向こうにいる自由な、あなたがた!
草:自由なあなたがたは、四方に建つコンクリの壁や、針金の入った窓
近:頑丈な扉や、それらをきつく閉ざす鍵という鍵、施錠という施錠を解くことができます。我が家のような監獄で。
草:自由なあなたがたは異端審問官である。手篭めにされ、小さな乳房をあらわにされた、理不尽に向き合う少女のような想像力。それを付与された、不自由な異端審問官である。

近:大きいですね。
草:鳥かごっていうには大きいな。
近:3尺はありますか?
草:それくらい、あるかな。

近:裁きにあたっては何者も恐れるな。なぜならば、その裁きは夢のはけぐちなのだから。
草:裁きにあたっては証拠にこだわるな。なぜならば、仮定を打ち崩すのは証拠ではなく、こびりつき剥落しない思い込みだから。
近:裁きにあたっては眼を閉じるべきだ。知られざるロマンスや冒険やドキュメントを見ないように。
草:裁きにあたっては耳を澄ますべきだ。ほら!血の凍るような叫び声や暴力が聴こえてくるじゃないか?

近:ところで、いつのまに逃げ出したんでしょうね?
草:さっぱりわからんさ。
近:あなたがきっと傲慢で不遜でいいかげんだから、逃げ出したんでしょう。
草:なんだって?
近:あるいはいかさまばかりで大金を稼ぎ、有頂天になったからでしょう。
草:違う。
近:あなたが飼っているものは生き物なのに、いつのまにか自己優位を示すだけの自己満足を飼うようになったのでしょう。
草:違う、俺は愛されようと努力した。言葉は通じないのに語りかけた。好みも解らないのに食べ物を工夫した。だって俺の表情はいつも、笑顔だったんだ!
近:これは好かれようとして嫌われるという良い例だ。
草:俺はすっかり嫌われたってわけか。
近:生き物っていうのはすべて鋭敏の才能を持っています。社会全体の規範を逸脱したものにはなにかしらの制裁をおこなうのです。制裁、まずは孤立させることなんでしょう。
草:この空っぽの鳥かごは、俺を孤立させるための。
近:孤立を象徴するための、空っぽの。
草:けど、あんたは俺を孤立させてはいない。
近:僕はそういったマキャベリズムから解放されていたい。馬鹿みたいだから。
草:仮面はかぶっても身体のフォルムで誰だかわかるもんな。
近:ええ。

草:ところであんた。このなかに入ったことあるか?
近:このなかに?まさか!
草:まさか、入ったことないのか?
近:鳥かごにしては大きいですが、とてもこの身体は入らない。
草:俺は、入ったよ。
近:入った?どうやって?天に唾でも吐いたんですか?
草:いや、俺の空想映画館でさ。
近:ああ、くだんの。で?
草:びっくりしたよ。
近:なにを?
草:かごのなかには、なにもなかった。
近:ああ、まあね。
草:じゃあ、あんた、かごの外にはなにがある?
近:かごの外。いまならばこの部屋があって、僕とあなた、自由なるあなたがたがいる。
草:へへ。そう思うだろうな。あんたならそういうと思ったよ。
近:違うんですか?
草:まあ、ね。
近:じゃあ、なにがあるんですか?かごの外に。
草:なにも、ない。
近:なにもない?どうして?
草:なにもなかったんだ。格子から向こうには、誰もいなかったし、どこの風景でもなかったように思った。
近:じゃあ、視野はぜんぶ暗闇だったということ?
草:いーや。なにかは見えてた、ような気がする。動くものとか、ぼんやりした色とか、なんだろうね。認識できない、というか、あ、興味がない!興味がないんだよ。外に。
近:興味がない、か。なるほど。

草:ところで、なあ、どんな鳥がいたんだ。このかごにはさ。
近:え?しりませんが。
草:しらない?しらないわけないだろう。
近:あなたがしってると思ってた。
草:俺もしらない。ここにきたときから空っぽだったもの。
近:僕もそうだ。ここにきたときから空っぽだ。

草:この小さな町には3つの鳥かごがあると聞く。
近:それぞれ良く磨かれたクロガネが狂いなく組み合わせてあるそうだ。
草:それぞれ、ささやかで上品な修飾がほどこされてあるそうだ。
近:釣り上げられたそのドームは、そよとした風にも大きくぶりんぶりん揺れるのだ。
草:良く磨かれたクロガネがこの異常を強調するのだ。空っぽの癖に!
近:夜空を下敷きにした飾り格子も、本来の目的を失ってただの工芸品に成り下がった。
草:かごのなかは空っぽ。
近:難攻不落の空っぽ。
草:逃げたのか?それとも、
近:死んだのか?それとも、
草:消えた?それともはじめから、そうだったのか?
近:限られた時間をともにした、不自由なる異端審議官のみなさま。とにかくいま、お伝えできることを申し上げます。
ふたり:鳥が、いない。
次回公演の先行予約販売開始しました!

海岸通ギャラリー・CASO 10周年展 参加作品
Lowo=Tar=Voga next performance
【鳥がいない】
2010年10月7日(木) 〜 2010年10月10日(日)

【期間限定】先行前売チケット受付期間
7/25(日)〜8/14(土)
※インターネット・メール予約にて受付いたします
●料金
先行前売=¥1,800 前売=¥2,000 当日=¥2,500
※全席自由・日時指定
●チケット取り扱い
<インターネット予約>
ロヲ=タァル=ヴォガ WEB SHOP
web : http://lowotarvoga.cart.fc2.com
<メール予約>
e-mail:torigainai-ticket@lowotarvoga.net
※お申し込みの際に、1.お名前 2.お電話番号 3.公演日時 4.チケットの種類 5.枚数
 をお伝え下さい。

●脚本・演出・音楽 : 近藤和見
●出演
草壁カゲロヲ/ハ・スジョン/ふくだまさと 他
●日時<全6回>
10/7(木) 17:30 開演
10/8(金) 15:00・19:30 開演
10/9(土) 15:00・19:30 開演
10/10(日) 13:00 開演
<開場は開演の30分前>
●会場
海岸通ギャラリー・CASO
 大阪港のウォーターフロントの一角の倉庫を改修して開設された、
 民間最大規模の現代美術のためのレンタルスペース
大阪市港区海岸通二丁目7−23
web : http://www.cwo.zaq.ne.jp/caso/index.html
アクセス : 地下鉄中央線大阪港駅下車、6番出口より徒歩7分
◎問い合せ先
OFFICE VOGA(ヴォガ制作部)
e-mail:info@lowotarvoga.net
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