鳥がいない日記-03-【鳥がいない】PV映像。
★ようやく頭が、思考の坂道を越えた気がする。【鳥がいない】どちらかというとしんみりとした内容だ。ここ最近、すごく静かな気持ちで、静かな印象の舞台をイメージしている。舞台の方法論も姿勢もそうなのだ。しかしなかなか難解なイメージのようで(ぼくは自分で考えているので細かいところまではっきりしているのだが)、出演者は多少困っている様子。でもとても努力しているし、このラストスパートの間にしっかりつかんでくれると信じている。

★【鳥がいない】PV-製作:松浦莞二
まぁ(笑)、舞台ではまた違う感じでしょうが、たまには代表カゲロヲ氏のとぼけた様子がみたい、ということでこのような映像を撮っていただいた。




★【葉漏れ陽のジギタリス】PV-製作:松浦莞二
10年前、京都吉田神社の境内で執り行った公演がようやく映像になりました。【鳥がいない】会場で発売するようです。ぼくもこの頃、25歳。若さあふれる公演でした。

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| 鳥がいない日記 | 00:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
鳥がいない日記-02-公演が近づいてきた!
★ブログがご無沙汰でもうすでに忘れ去られた存在かもしれない。ツイッターというものに参加してから、ブログを書こうという意識が薄れたのかもしれないが、それとこれは別物。ぼくは人生というものを見直したほうがいい。



★【鳥がいない】公演が近づいてきた。稽古は熱がはいっていて、やはり男だらけの稽古場は眼には見えぬ男同士のライバル心というものがソコハカトナク漂っていて、ピリッとしている。以前「異性より同姓の嫉妬がすごいのよ!」みたいなことをバアで隣り合わせたひとに聞いたが、きっとライバル心にも通底することなんだろうね。でも嫉妬心とライバル心は似て非なるものだとは思っている。
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| 鳥がいない日記 | 04:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
鳥がいない日記-01-【鳥がいない】へのオブリージュ
★滝のような汗。嫌いじゃない。ただ頭痛から逃げたい。人間ドックにいく計画が進行している。が、ぼくが停滞させている。

★【鳥がいない】公演は先行発売期間中。先日、座長カゲロヲ氏の個展(個人展?)が行われてそこでカゲロヲ氏とぼくとでテキストを読んだ。それだけのためにちょっと書いた。10月の公演の内容とは違うのだが、ひとつのイメージではある。ここに掲載してみる。


※近:近藤和見・草:草壁カゲロヲ
【鳥がいない】へのオブリージュ

近:僕はね、残念でしょうがないのです。これはただの空虚です。良く磨かれたクロガネが狂いなく組み合わせてあります。それにはささやかで上品な、修飾がほどこされであります。釣り上げられたそのドームは、そよとした風にも揺れるのです。
草:けれど、けして、落ちたりはしない!
近:そう、しっかりとした留め金でけっして落ちたりはしません。難攻不落であります。しかし残念ながら、それを飼う目的であるはずの、そのかごのなかにはなぜか、
ふたり:鳥が!いない!

草:僕もね、哀しくてしょうがない。良く磨かれたクロガネがこの異常を強調する。夜空を下敷きにした飾り格子も、本来の目的を失って、ただの工芸品に成り下がった。かごのなかは空っぽ。格子から見える向こうの背景。すきま。すきまだけが目立つじゃないか。
近:暗闇にさえぎられるようなものです。
草:いや、まだ眼をつぶっていたほうが、ましだ。暗闇では俺一人の映画館がある。カタカタと音をたて、思うままのロマンスや冒険やドキュメントが放映される。うっとりだ。しかし哀しいことに、俺の空想映画館のなかにも、なぜか
ふたり:鳥が!いない!

近:このクロガネの、飾り格子の向こうにいる自由な、あなたがた!
草:自由なあなたがたは、四方に建つコンクリの壁や、針金の入った窓
近:頑丈な扉や、それらをきつく閉ざす鍵という鍵、施錠という施錠を解くことができます。我が家のような監獄で。
草:自由なあなたがたは異端審問官である。手篭めにされ、小さな乳房をあらわにされた、理不尽に向き合う少女のような想像力。それを付与された、不自由な異端審問官である。

近:大きいですね。
草:鳥かごっていうには大きいな。
近:3尺はありますか?
草:それくらい、あるかな。

近:裁きにあたっては何者も恐れるな。なぜならば、その裁きは夢のはけぐちなのだから。
草:裁きにあたっては証拠にこだわるな。なぜならば、仮定を打ち崩すのは証拠ではなく、こびりつき剥落しない思い込みだから。
近:裁きにあたっては眼を閉じるべきだ。知られざるロマンスや冒険やドキュメントを見ないように。
草:裁きにあたっては耳を澄ますべきだ。ほら!血の凍るような叫び声や暴力が聴こえてくるじゃないか?

近:ところで、いつのまに逃げ出したんでしょうね?
草:さっぱりわからんさ。
近:あなたがきっと傲慢で不遜でいいかげんだから、逃げ出したんでしょう。
草:なんだって?
近:あるいはいかさまばかりで大金を稼ぎ、有頂天になったからでしょう。
草:違う。
近:あなたが飼っているものは生き物なのに、いつのまにか自己優位を示すだけの自己満足を飼うようになったのでしょう。
草:違う、俺は愛されようと努力した。言葉は通じないのに語りかけた。好みも解らないのに食べ物を工夫した。だって俺の表情はいつも、笑顔だったんだ!
近:これは好かれようとして嫌われるという良い例だ。
草:俺はすっかり嫌われたってわけか。
近:生き物っていうのはすべて鋭敏の才能を持っています。社会全体の規範を逸脱したものにはなにかしらの制裁をおこなうのです。制裁、まずは孤立させることなんでしょう。
草:この空っぽの鳥かごは、俺を孤立させるための。
近:孤立を象徴するための、空っぽの。
草:けど、あんたは俺を孤立させてはいない。
近:僕はそういったマキャベリズムから解放されていたい。馬鹿みたいだから。
草:仮面はかぶっても身体のフォルムで誰だかわかるもんな。
近:ええ。

草:ところであんた。このなかに入ったことあるか?
近:このなかに?まさか!
草:まさか、入ったことないのか?
近:鳥かごにしては大きいですが、とてもこの身体は入らない。
草:俺は、入ったよ。
近:入った?どうやって?天に唾でも吐いたんですか?
草:いや、俺の空想映画館でさ。
近:ああ、くだんの。で?
草:びっくりしたよ。
近:なにを?
草:かごのなかには、なにもなかった。
近:ああ、まあね。
草:じゃあ、あんた、かごの外にはなにがある?
近:かごの外。いまならばこの部屋があって、僕とあなた、自由なるあなたがたがいる。
草:へへ。そう思うだろうな。あんたならそういうと思ったよ。
近:違うんですか?
草:まあ、ね。
近:じゃあ、なにがあるんですか?かごの外に。
草:なにも、ない。
近:なにもない?どうして?
草:なにもなかったんだ。格子から向こうには、誰もいなかったし、どこの風景でもなかったように思った。
近:じゃあ、視野はぜんぶ暗闇だったということ?
草:いーや。なにかは見えてた、ような気がする。動くものとか、ぼんやりした色とか、なんだろうね。認識できない、というか、あ、興味がない!興味がないんだよ。外に。
近:興味がない、か。なるほど。

草:ところで、なあ、どんな鳥がいたんだ。このかごにはさ。
近:え?しりませんが。
草:しらない?しらないわけないだろう。
近:あなたがしってると思ってた。
草:俺もしらない。ここにきたときから空っぽだったもの。
近:僕もそうだ。ここにきたときから空っぽだ。

草:この小さな町には3つの鳥かごがあると聞く。
近:それぞれ良く磨かれたクロガネが狂いなく組み合わせてあるそうだ。
草:それぞれ、ささやかで上品な修飾がほどこされてあるそうだ。
近:釣り上げられたそのドームは、そよとした風にも大きくぶりんぶりん揺れるのだ。
草:良く磨かれたクロガネがこの異常を強調するのだ。空っぽの癖に!
近:夜空を下敷きにした飾り格子も、本来の目的を失ってただの工芸品に成り下がった。
草:かごのなかは空っぽ。
近:難攻不落の空っぽ。
草:逃げたのか?それとも、
近:死んだのか?それとも、
草:消えた?それともはじめから、そうだったのか?
近:限られた時間をともにした、不自由なる異端審議官のみなさま。とにかくいま、お伝えできることを申し上げます。
ふたり:鳥が、いない。
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| 鳥がいない日記 | 23:21 | comments(0) | trackbacks(0) |

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