日記-19-金沢旅情
2.26と2.27、大阪市立大学付属病院の「ホスパ」というホスピタルアート関連の方々と金沢に行ってきた。21世紀美術館を二日がかりでゆっくりと観て廻った。21世紀美術館は現代美術に特化した日本でも有数の美術館で、堪能した。

「表現」というのは意味の幅広い言葉であるが、現代美術の表現力は既成概念に縛られているわたしを驚かせてくれる。

ちょっと意味は違うが、わたしの尊敬する将棋の米長邦雄永世棋聖は「勝負師にとって一番怖いことは、酒でもなく博打でもなく女でもないんですよ。一番怖いことは『常識』なんです」といった。表現者のはしくれとして、舞台を作るときに気をつけなければいけないのは正にそこで、こういうもんだ、と自ら望んで常識の枠に閉鎖されてはいけない、と思う。

肝要なことは「わたしは精神的に自由である」と信じることなんだと思う。社会や恋愛に縛られてもべつにかまいやしません。むしろ、そういうことを望んだりもする。けれど、わたしはいままで、いつだって、「わたしは精神的に自由である」と信じてきた。泣く、泣かない、信じる、信じない、はわたしやあなたや、誰かの勝手な感情であって、その実、わたしもあなたも、誰かも、精神的に自由なんだ。かといってわたしは感情や愛情を失うわけではない。ただ勝手に、不確定原理を内包している自然(わたしはどれほどのマテリアルワールドでも人のこころであっても自然の範疇にあると考えている)に、泣いたり叫んだり、怒ったり笑ったり、愛したり信じたり、しているだけなのだ。
| 日記 | 17:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
日記-18-万病の素
またも風邪をこじらせてしまった。
そしてこじらせた時に事件が頻発した。

実家のアイドル犬、チョロ松くん(マルチーズとチワワの雑種)があの世へ旅立った。
母親は一晩中泣いて、いたたまれなかった。
突然の死ではあった。日頃、心臓が悪くて、けひんけひん、と咳き込んでいたが、しかし急なことだった。

そして、その我が孟母である。再婚が決まった。相手は初婚でしかも真面目なひとであるとのこと。
前日まで「システムキッチン見に行くねん!」とはしゃいでいたのだが、次の日は一晩中泣き明かすという、孟母のせいではないが、実に激しい感情の振り幅であった。

「チョロ松はほっとしたんやないかな?」「なにが?」「結婚してそばにいてくれるひとができたから、動物って勘がいいから」「…チョロちゃんはもっと生きたかったと思うよ。生きてたらもっと楽しいことあったもん」「そやな…。生きなな。あなたは頑張って生きなな」「あんたもな」

同時性といおうか?アタシは風邪をこじらせ、まだ、胸がひりひりしている。
眼底の痛みに耐え、なにを見ているのだろう?
死、結婚。そのどちらにも幸せと不幸が詰まっているように思う。
結婚を考えたこともあったが、そのひとは同時性のなかに、もういないのだ。
| 日記 | 19:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
日記-17-少し肩の荷が下りたような
東京から帰り、数日。
さまざまな反省や希望の復習。

人生は哀し
酒は楽し
将棋は苦し

とは棋士芹沢九段の揮毫する言葉であるが、やけに身に染みる言葉なのでよくつぶやく。

「井上陽水の韜晦」というトークライブイベントを行なった。管理人柴田女史がブログにアップしているのでよろしかったらご覧くだされ。2年ぶりくらいにギターを弾いたので、私も楽しめた。最近、重く哀しいことがあったので、少し楽になった。自分の脳は自分で作らなければ、ね。

電話番号の数字を使って、語呂を作る遊びにはまっている。職場のひとの電話番号にはだいたい作った。ゴローズというユニットも作ったし、自分をゴロー人(ごろうじん)と名乗ることにもした。キャッチコピーは「語呂はヒマ人を救う!」とした。携帯ショップの前で「568」という看板をだして、手相観のおじさんみたいに座っていたい。無論、「語呂屋」と読む。電話番号なので公にしにくいのだがひとつ例を挙げると、ウチの職場の番号は、「大阪06、無言でくくれ、いつもの縄で」となった。語呂は作るのではなく、その数字とゴロー人の間に隠されていると、つくづく思う次第である。

あなたもゴローズに入りませんか?
| 日記 | 21:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
日記-16-都市細胞
横浜-東京にいってきた。
風邪と旅情でナチュラルハイだった。
同行の方々に大迷惑をかけつつ、大都市のエネルギーに驚愕。
あの、ひとひとひと!ビルビルビル!埃埃埃!

放浪の末、ゴールデン街に行き着く。
客や店の人たちから、アタシのような見知らぬ関西人へのやさしさに、ホロリ。

出会いと別れ、それもまた、細胞の自立的行動なのかな。
わかりあえたひととの別れは、わかりあえないひとと出会わないことよりも、悲劇である。
食欲を失うほどの、胃と脳の緊張感から開放されて、
いまはただ、頬の少しこけた顔を友人にさらしている。

春の夜の夢の如し。
| 日記 | 21:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
日記-15-惜別
このブログや、ロヲ=タァル=ヴォガ非公式ページの管理・製作をしている柴田女史の弟、渉くんが、不慮の事態で他界した。スキー場でのクモ膜下出血だったそうだ。享年29歳、くしくもアタシと同年での死去であった。

通夜に赴き、手を合わせてきた。柴田女史、そしてご遺族の気持ちを考えると、言葉がなかった。
渉くんとは数年前にいちど会ったきりで面識はないが、同年というには幼い中学生のような雰囲気を憶えていた。しかし「死に顔を看てやってください」と柴田女史にうながされて拝んだその顔は、もう成年のそれであった。「渉くん、ずいぶん会っていないうちに顔付き、大人になったね」というと彼女はなにも語らず頬笑んだ。

失った命は還らない。だからひとはそれを尊び、惜しむ。
はじめは、活動を終えた身体を惜しむ。
やがて、ともに過ごした時間を惜しみ、あるはずだった故人の未来を惜しむのだろう。

惜別の季節を踏みしめ踏みしめて。
しっかり見送ったら、元気を出してくださいな。
あなたに元気がなかったら、怒れないじゃないか。
「それあかんやろっ!」とかね。

それでは、また。
| 日記 | 20:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
日記-14-1%の霊感
風邪を引きました。が2日で治しました。
奇妙なもので、アタシは身体を痛めつけるために、深酒やチェーンスモーキングに勤しんでいるような気がするのです。知り合いに会わないように見知らぬ店に深く腰掛けて「話しかけないで下さる?」的目線を送りながら、ウォッカを頼むのです。そして、そんなときはアタシの背後に無数の人影。アタシを恨む無数のプレッシャーの影。「だから、こうしてひとり、さびしく生きております」とアタシは哀愁の背なで返答。翌日には、胃痛・胸焼け・強度の鼻炎。寝起きにパブロン持続性カプセルを一錠あおりまして、訳もなく東に敬礼!の毎日。
そんな百鬼夜行を引き連れての歩行を繰り返しながら、エジソンがのたまった「1%の霊感」云々を考えたりします。一連の行為のコツは、決してうしろを振り返らないことです。
| 日記 | 15:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
日記-13-ささやかなる疑い
キリストの誕生日だと思っていた1月1日。
クリスマスもまたキリストの誕生日。
酒の肴とばかり、矢鱈に質問してみるが、確信を持って応じる者はなし。
いままで、常識を知らなかったのか、それとも、常識を疑わなかったのか。
キリストの誕生日についての単なる勘違いやも。

年末年始を過ぎた後に、ようやく胸のつかえが「スゥー」っと降り。
ひとりで色々な舞台やライブや展示に足を運びました。
狭窄しつつあった視野も「嗚呼、鉄の門扉が開く」が如くです。
数々の出来事の中で誰がアタシを呼び戻したのか?
そのひとだけは知っているでしょう。

滋賀の故郷に降り積もる雪の激しさと清冽さに、
「雪ぐ(ススグ)」という言葉を思い出しました。
| 日記 | 20:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
日記-12-理不尽が渦巻く
時に、「理不尽」とつぶやく。
「理」とは世のことわりであり、意は「理をつくさないこと」である。
そのつぶやきは自分に向けることもあれば、誰かに向けることもある。
そしてとりわけ誰にもいうことができない時に、
アタシはこころからの「理不尽」をつぶやく。

アタシの負のゼンマイがキィキィと回りだした。
連動し、きっちりと噛み合わさった大小の歯車も回る。
きらびやかな夜がアタシを夢中へ連れ出し、
アタシの頭も回る。
苦しさも回る。あっけらかんが回る。
自負心が回る。自尊心も回る。
悔しさが回る。後悔が回る。
愛情も回る。愛情が回る。
アタシが回るから回る。
縦や横に回る、前やうしろに回る、うえにしたにも回る。
イライラした黒いタクシーも回る。
黒いタクシーも回っているから、ビルも回る。
だから地球も回る。
だからひと思いに倒れてしまいたくなる。
だから回らないなにかにしがみつきたくなる。
それが弱いこころだから、自分を憎む。

あっという間に、色褪せたあなたとわたしの幸せが、
ちょっとしたレンズの焦点で、メラリ、と燃えだした。
その火はカーテンあるいはカーペットに燃え移り、
せっかくそろえた家具も、
履き潰しとっておいたスニーカーも、
雑巾も、風呂も、本も、
なんども抱き合ったベットも、
声も、笑顔も、泣き顔も、
まなざしも、いたわりも、やすらぎも、
世の道理に従った素直で激しい火はやがて、
誰かを、サトスように、丁寧に順序を追って、
その幸せのすべてを焼き尽くすだろう。

どうか酒を注いでくれ。どんどん酒を注いでくれ。
理不尽の渦で、どうせ今日も、酔えないから。
| 日記 | 20:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
日記-11-背中のアバタと心。
「絶対綺麗になってやる!!」という常套句のようなものがあります。確か10年位前のエステかなんかのCMが出会いであったように記憶。思い起こしたりこの言葉に出会ったり(※頻度は高くない)するたび「なんだかなぁ」と感じていたのですが、現在、アタシも「絶対綺麗になってやる!!」という気概でございます。無論『男らしくスカートをはきこなす』という意味ではありませぬ。10年来の友人であるA島さんに「もうあの頃のカズミちゃんは帰らないのね・・・」などと溜息をつかれるほどめっきり老け込んだアタシ。毎晩お酒を呑んで、ハイライト、馬鹿馬鹿吸って(※馬鹿だと自覚し吸っているタイプ)、皺、シミ、毛穴、鼻の穴(※鼻炎)、どれをとっても駄目になりました。「僕は駄目になってしまいました」とひとり告ち。

そんなアタシですが、もう嫌なんです。そんなアタシが嫌なんです。←と思うところから「絶対綺麗になってやる!!」が始まるのです。本質的に自分の変化を求めているのではなくて、自分を否定するところから始まるのね。自分を肯定してばかりも良くないし、自分を否定してばかりも良くないだろうけど、その二種類の精神調味料のさじ加減のなかで、自分の外見について否定することにしたわけです。お洒落とか美容とかの点で「失われた10年」だったかな。あんまり自分に興味もてなかったからねぇ。我ながら性格ひねくれてるしねぇ(※M田くんに「カズミの性格は真っ直ぐ曲がってる」といわれていた)。

きっと、知らぬ間に気持ちが老け込んだんだろうなぁ。
さらに10年くらい経ったら「絶対いいひとになってやる!!」とか唸ってる気がする。

実際の『自由』というのは難しいかもしれないけど、精神的には『自由』は必要。
擬似的なのかと思うけど、私見では美的に向上しようというのは「精神の自由への求心」に繋がってるように思う。学問を頑張るとか、たくさんのお金を稼ぐとかも、結局、近しい兄弟的な欲求なのかしら?ひとそれぞれ事情は違うでしょうが、そう思います。

しかし、昨夜も記憶の中で、「誰かさん」のことを考えて、眠れなかった。
そのひとがいま、悲しい気持ちになってないかと考えて、眠れなかった。
場所と時間の無共有の中で、あのひとが泣いてないかと、眠れなかった。

背中を触ってみたら、この前まで荒れていた肩甲骨と肩甲骨のあいだのアバタが消えて、つるり。
| 日記 | 15:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
日記-10-憂いの展望
思えば、アタシ(前回からこういうことにした)は、悩み少なき生を営んでいるような。
こういう話になると何故か「コンプレックス」があるかないかで十把一絡げに解答する人もおりまするが、根本的に「悩む」というワードは答えが出ない問題を指すということでよいと思う。つまりアタシはいつだって、解決あるいは理解を基に、別れ道を選んでこれたと思っている。「迷う」ことさえ中長期的にはなかった。

「悩む」と「迷う」の違いは明々白々であって、「迷う」とは、テーブルの上に答えがすでに用意されていて、「決断」を迫られている状態のことをいう。「迷う」は答えに指示する言葉ではなく「決断」辺りに指示する言葉だと思う。

アタシの決断はアンダー30歳の中でも恐らく近畿大会に出れるほど速い。自慢ではない。別選択の結果を見ることができないため正答率は不明だがそれほど高くない、失敗も多い。孫子もいうた「兵は拙速を尊ぶ」をアタシは地で行く。ひとからは世の中を簡単に考えすぎだと思われがちだが、実はその通り、簡単に考えるように心がけている。こんなに複雑な世の中で、他人どころか自分のことさえ正確に捉えられないのに(だから裏切りという言葉の意味は神武以来、空転しないのだ)、悩み上手なアタシがモラトリアムごっこをしても始まらない。アタシは舞台をつくる集団の初めの決断をする立場なので、その果実は団員による数度の決断段階を経て、実を結ぶ。

短期思考:いまなにができるか、を中心に考える
中期思考:作品のクオリティを上げ続けるために必要なことは、を考える
長期思考:おっかさんを泣かさない

我が憂いの展望である。
| 日記 | 17:04 | comments(0) | trackbacks(0) |

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